chihiro_shortL’s diary

艦これをプレイする野獣先輩です

改修工廠における確実化・非確実化について

どうも、ショートランドで提督をやっておりますチヒロと申します。

実は5年ほど前に、今回と同様の内容の記事をnoteに投稿していました。しかし、noteのログイン方法を忘れてしまったこともあり、今後ははてなブログに一本化することにしました。あわせて、当時書いた記事の中で今でも有用だと思われるものを、順次こちらで復活させていこうと思っています。

その一環として、本記事を再投稿させていただきます。とはいえ完全な再掲というわけではなく、環境の変化や新しい知見も踏まえて、内容については大幅にアップデートを行っています。

大前提

改修工廠における確実化、非確実化の判断基準は期待値をもって行います。期待値とか関係ない、ギャンブル狂という方はブラウザバックして、どうぞ。

なぜ期待値で判断するのかというと、艦これの改修は通常1日に1回、あるいはそれ以上の頻度で行われるものであり、長期間で見れば改修回数は膨大な数になります。そのため、統計学でいう大数の法則により、実際に消費する改修コストは事前に算出できる期待値へと収束していきます。
したがって、改修を行う際は「事前に求められる改修コストの期待値がより小さくなる選択」を取るべき、という考え方になります。

また、「特定の装備は改修回数が限られているため、大数の法則が成り立たず期待値で判断できないのではないか」という指摘もあるかもしれません。確かに、個別装備単体だけを見れば試行回数が少なく、結果が期待値に収束しない可能性はあります。

しかし実際には、改修で消費する、改修資材、開発資材、牧場装備(=装備を用意するための経験値)

といったコストは、装備の種類を問わず共通の資源プールとして扱われます。
つまり、特定装備だけを独立して考える必要はなく、すべての装備改修を通した試行回数として見れば十分な回数が確保されます。

このように、改修全体を一つの集合として捉えれば大数の法則は成立し、その中で期待値を基準に判断していけばよい、ということになります。

 

非確実化した時の消費する資材などの期待値

ある段階の改修値を1つ進める際に、改修を非確実化で行う場合の期待消費量は、次の式で求められます。

(非確実化の改修1回で消費する資材・素材・資源) ÷ (その段階の改修成功率)

非確実化では失敗が発生するため、実際には同じ段階の改修を複数回試行する場合があります。その平均試行回数は「1 ÷ 成功率」で表されるため、1回あたりの消費コストにこの試行回数を掛けたものが、改修値を1段階進めるための期待消費量となります。

これはここからの話の大前提なので覚えておきましょう。

具体例として、☆9→☆10の秋月砲の改修(非確実化)に必要な期待消費量を求めてみましょう。

秋月砲の後半改修の必要資材(非確実化)は以下の通りです。

ネジ4、釘5、10cm連装高角砲×2、他資源

また、☆9→☆10における改修成功率は67%です。

先ほどの計算式にあてはめ、
(ネジ4、釘5、10cm連装高角砲×2、他資源)÷67%=
ネジ5.97、釘7.46、10㎝連装高角砲×2.99、他資源

と求めることができます。

式の導出

高校数学の範囲だと思います。当たり前だと思う方は当たり前だと思うでしょうし、理解できない方は理解できないので期待消費量の式だけ暗記してください。

この期待値は、改修成功率を α、非確実化で改修を1回行ったときの消費量を m とすると、次のように導出できます。

まず、期待値 E「何回目で成功するか」によって次のように表されます。

E = mα + 2m(1-α)α + 3m(1-α)²α + 4m(1-α)³α + …

これを整理すると、

E = mα(1 + 2(1-α) + 3(1-α)² + 4(1-α)³ + …)

ここで
1 + 2x + 3x² + 4x³ + … = (1 + x + x² + x³ + …)²
という関係を利用すると、

E = mα(1 + (1-α) + (1-α)² + (1-α)³ + …)²

等比級数の和
1 + r + r² + r³ + … = 1/(1-r)

を用いると、

1 + (1-α) + (1-α)² + … = 1/α

となるため、

E = mα(1/α)²
= m/α

したがって、非確実化で改修値を1段階進める際の期待消費量は「m/α」で表されることになります。

改修成功率・資材期待値

各段階における改修成功率と、成功までに必要となる改修回数の期待値は、以下の表の通りです。

明石改での改修成功率です。

改修資材だけでどの段階から確実化すべきかを考える

言い換えれば素材、開発資材、資材の価値を0として計算するということです。艦これではネジの入手数の上限(課金を除いて)が決まっているので基本的にこの考え方で問題ありません。改修素材の価値が重いものは例外(次章以降で扱う)です。

具体例として、タシュケント砲(130mm B-13連装砲)の改修の確実化の是非について考えます。

上記の表がタシュケント砲の改修に必要な資材一覧です。今回のケースでは、必要素材の価値を考慮せず、ネジの消費量のみを比較すればよいパターンになります。

 

それでは、先ほど示した「改修成功率・改修回数期待値」の表に、この装備のコストを代入して比較してみましょう。

その結果、
☆7→☆8までは非確実化の方がネジの期待値が安く、☆8→☆9の段階で確実化の方が有利に逆転することが分かります。

つまり、このタシュケント砲の改修では、

☆8→☆9以降のみを確実化する

というのが、ネジ効率の観点から最適な改修方法になります。

素材に重みをつけて、どの段階から確実化すべきかを考える

先ほどはタシュケント砲を例に取り、ネジ消費量のみを基準に確実化の判断を行いました。
次に、後半改修で開発不可能な装備を素材として消費するケースとして、試製61cm六連装(酸素)魚雷を例に考えてみます。

改修コストの表は以下の通りです。

ここで重要になるのは、素材である五連装酸素魚雷をネジ何本分の価値として扱うかです。
この価値はプレイヤーごとに異なり、一律の基準があるものではありません。

例えば、

  • ネジ課金をしないプレイヤー
     → ネジの価値が高くなるため、素材の価値は相対的に低くなる

  • 牧場禁止縛りなどをしているプレイヤー
     → 素材の入手が難しいため、素材の価値が高くなる

といった違いが生じます。

 

まず、五連装酸素魚雷の価値をネジ3本分と考えるプレイヤーの場合です。

素材をネジ3本として計算すると、
すべての改修段階において非確実化の方が総コストが安いという結果になります。

 

次に、五連装酸素魚雷の価値をネジ10本分と考える場合です。

この場合は、

  • ☆8→☆9までは非確実化が有利

  • ☆9→☆10で確実化が有利に逆転

という結果になります。

 

最後に、素材の価値をどの程度と置いた場合に、どの段階から確実化するべきかをまとめたものが次の指標です。

これを見ると、五連装酸素魚雷の価値をネジ48本以上と仮定した場合に、☆6から確実化する方が有利になります。

しかし、実際には四連装酸素魚雷からの更新で作成した場合でも必要ネジはおよそ25本程度です。
つまり、現実的な条件では

☆6の改修は必ず非確実化した方が良い

という結論になります。それ以外については、各提督の素材の価値判断次第というところになります。

参考までに、自分の場合は五連装酸素魚雷の価値をネジ2~3本程度と考えているため、
この装備に関しては全段階で非確実化するのが最適という判断になります。

 

素材が改修更新によって得られる場合(応用例1)

前章では、開発不可能な装備を素材として消費する場合について考察しました。
続いて、素材が基本的に改修更新からしか入手できない装備について考察します。

結論から言うと、この場合は「素材の価値に下限を設定する」だけであり、特別に複雑な計算が必要になるわけではありません。

ここでは例として、四式ソナー(四式水中聴音機)の後半改修における確実化の是非を考えてみます。

四式ソナーの改修コストは上記の表の通りです。
後半改修では素材として、改修更新でしか入手できない四式ソナーを消費します。

 

まず、この四式ソナーの作成コストを確認します。

ネジのみに着目すると、九三式ソナー→四式ソナーの作成工程はすべて非確実化で行うのが最も効率的となり、
四式ソナー1個の作成コストは

ネジ 25.97本 + 開発資材・素材・資源

となります。

したがって、この時点で

素材として消費される四式ソナーの価値は、最低でもネジ25.97本以上

と考えることができます。

 

ではここで、四式ソナーの価値をネジ26本として計算し、
改修で消費するネジの期待値を求めてみます。

その結果、すべての改修段階において確実化した方が総コストが安くなるという結果になります。

このように、

  • 素材の価値が非常に高い

  • 確実化してもネジ消費がそれほど増えない

という条件では、改修失敗によって素材が消失するリスクの方が支配的になるため、確実化する方が合理的になります。

なお、今回の計算では素材となる四式ソナーに含まれている三式水中探信儀などの価値を0として扱っています。
そのため、実際の素材価値はここで仮定したものよりさらに高くなると考えられます。

素材が改修更新によって得られる場合(応用例2)

前章では、改修素材が改修更新のみによって作成できる場合について考察しました。
今回は、牧場でも改修更新でも作成できる素材のうち、実際には牧場が主な入手手段となる装備について考察します。

例として、初月砲(10cm連装高角砲改+高射装置改)の後半改修における確実化の是非を検討します。

まず、初月砲の改修コスト表がこちらです。

そして次に、後半改修の素材となる94式高射装置を改修更新で作成した場合のコストが以下になります。

91式高射装置から改修更新によって94式高射装置を入手する場合、素材などの付加価値は比較的低いため、ネジ23本相当として扱って問題ありません。

この前提に立つと、

  • 改修更新で入手する場合:94式高射装置の価値は ネジ23本相当

  • 牧場で入手する場合:ネジ23本より低い価値

として扱うことになります。
なぜなら、もし94式高射装置の価値をネジ23本以上と考えるのであれば、すべて改修更新で作成すればよいという結論になるためです。

 

ここでは、価値の上限となる素材価値をネジ23本と仮定した場合の改修コストを比較してみます。

この条件では、すべての改修段階で確実化した方が総コストが安いという結果になりました。

しかしこれはあくまで、94式高射装置の価値をネジ23本(=改修更新で素材を作ることを許容する場合)とした場合の話です。
実際には、牧場で入手することを前提にしているプレイヤーが多いため、もう少し低い価値として見積もっているケースが多いのではないかと思います。

その場合の確実化の判断基準は以下のようになります。

  • 多くの場合、☆7以降で確実化するのが合理的

  • ☆6から確実化する場合、94式高射装置の価値をピンポイントでネジ22~23本程度と評価していることになる

自分自身は94式高射装置の具体的な価値を厳密に計算しているわけではありませんが、☆7以降確実化となる条件の範囲が比較的広いため、現在は☆7以降を確実化する運用としています。

改修確実化基準早見表

以下に、どの改修段階から確実化を行うべきかについて、
ネジ消費の期待値が最も小さくなる基準でまとめた表を示します。

表の読み方は以下の通りです。

  • 非確実化:非確実化した方がネジ消費の期待値が小さくなります。
  • 確実化:確実化した方がネジ消費の期待値が小さくなります。
  • 数字:素材装備1つの価値がその数字(ネジ換算)より大きい場合は確実化、
    その数以下の場合は非確実化した方がネジ消費の期待値が小さくなります。

※開発可能な装備を素材とする場合、ネジ換算した素材価値はネジ6本を上限として扱っています。
※ドロップ艦が持参する一部装備に関して、無条件で価値0としているものがあります。
※改修更新のみによって素材が入手できる場合、素材の価値は最もネジ消費が少なくなる改修更新経路で算出した値を用いています。
※改修する価値がない装備、確実化の議論をする必要がない装備は省略しています。

戦艦用装備

 

中口径主砲

 

小口径主砲

 

魚雷

 

電探

 

対潜装備

 

水上機

 

対地装備

 

艦上機

 

基地航空隊

 

その他の装備

 

例外のおはなし

先ほどの改修確実化/非確実化の早見表の章までは、すべて期待値で判断することを前提としてきました。
しかし、実際の運用ではその前提が崩れる例外的なケースも存在します。ここでは、その代表的なパターンをいくつか紹介します。

  • イベントが近く、改修を確実に進めたい場合

イベントに向けて五連装酸素魚雷の牧場をしてきた場合などに起こりやすいケースです。
イベントや戦果を走る月など、明確な目標に向けて装備準備を進めており、その直前という状況では、低確率とはいえ改修失敗によって素材を失った場合、次の素材を入手できる見込みが立たないことがあります。

このような場合は、イベントで強化した装備を使用することを優先し、ネジ効率を多少犠牲にしてでも確実化を選択するという戦略も合理的です。

  • 開発資材が枯渇している場合

これは例外というより、開発資材にも価値を設定して考えるケースになります。

艦これではネジ課金をしない場合は、通常は開発資材が枯渇することはあまり多くありません。しかし、開発資材が不足して改装待ちが発生している場合、それ自体が効率低下の原因となります。

そのような状況では、多少ネジ効率が悪化しても開発資材の消費を抑える選択を取る運用も考えられます。

  • 素材の価値が改修成否によって変動するケース

これは、素材は既に十分に用意してあるものの、その改修が終わればもう素材を使用する予定がない場合に起こります。

例えば、最後の1機の彗星江草を作成する際に、素材となる九九式艦爆二二型が5機あるとします。
そして、彗星江草をそれ以上増やす予定がない場合です。

この場合、素材の二二型は一度改修に失敗するまでは価値0として扱うことができるため、本来であれば確実化すべき☆6→☆7の改修も、非確実化で進めることが可能になります。

自分で素材を改修更新して作成する場合、このような状況は基本的に避けるべきですが、二二型は任務で中途半端な数が配布されることがあるため、実際にはこのようなケースが発生することがあります。

 

改修の確実化判断は基本的に期待値によって行うべきものですが、上記のように一時的あるいは部分的に大数の法則が成立しない状況が存在します。

そのような場合は期待値の計算にこだわりスギィず、その状況において最も合理的な選択を取ることが重要になります。

 

本記事は以上となります。
みなさんの改修における確実化・非確実化の判断の参考になれば幸いです。